みなさんは、ASAPという言葉を聞いたことはありますか?
以前コラムで書いた“RSVP”のように、これも単語の頭文字を4つ並べたものなのです。
いったい何の頭文字なのでしょう、ご存じでしょうか?
正解は、as soon as possible、意味は「可能な限り早く、急ぎで」何かをお願いするときに使う表現です。
緊急の用事がある際や、すぐに返事が欲しい時などに使われることが多いのですが、実は、この表現にも注意が必要なのです。
それはズバリ、「目上の人に使うと失礼に当たる」のです。
自分の上司にやクライアントにASAPと送ってしまったら、人によっては、「随分偉そうな態度だな」と思われかねません。そんなことになったら、ビジネス上の関係もマイナスになりかねませんよね。人によっては優しく受け流してくださる方もいらっしゃるかもしれませんが…。
ASAPは、気心の知れた同僚や対等な立場の人、あるいは後輩などに送る分には問題はありません。ただ、付け加えるならば、「自分がすぐに相手に何かをしてほしい」のであって、相手の置かれた状況への配慮が見て取れない表現なのです。
ですから、目上の方にも使える、よりスマートな表現としては“at your earliest convenience”という表現を使うか、あるいは、「いつまでにご連絡をお願いします」(例えば“Could you kindly please inform us by Friday 16:00?”)というように、期日も加えてお願いする表現にした方が安全でしょう。
ほんの少しの気遣いの表現が、大きな印象の差を生む言葉の世界。
以前、生徒様から「英語には敬語がないのですよね?」と質問を受けたことがありますが、それは「否」です。英語は日本語ほど敬語の種類は沢山ありませんが、立場の違う方に使う丁寧な表現や相手への配慮のある言いまわしは豊富なのです。
では、今日はこの辺で。
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